外国人材の定着率を高めるには、日本特有の人事システムが影響することがあります。終身雇用が前提の日本企業では、入社から数年間は下積み期間に費やしますが、海外企業では専門性や経験が重視されることから、働き方に対する価値観の違いが離職へと発展するケースがあります。
また、転職をすることによって自分自身のキャリアが高まる国や地域も多いことから、入職後のキャリアイメージを外国人材に採用時点で説明し、会社と共に成長する日本企業のイメージに理解を求めることが必要になってきます。その他、社内のガバナンスやマネジメント、残業、整理整頓など、従来は説明する必要性がなかった項目も伝えていく努力が求められます。
このような、従来の価値観に依存した採用と雇用ではなく、相互理解を図ることが外国人材の定着につながっていきます。
雇用後の定着に向けたポイント
理解促進を図るために、インターンシップなどを通じた相互理解のしくみを導入する。
キャリア形成やジョブディスクリプションなどの説明に軸を置く。
自社の経営目標や今後のビジョンなど、入職後のイメージを明確に提示する。
日本語能力の向上や新たなスキル習得など、具体的な教育体系を説明する。
人事評価や社内規定などの説明を正確に伝え、母国語などへの翻訳などに配慮する。
雇用する外国人材の国柄や文化的事情を考慮した福利厚生などを整備する。