外国人向け日本語学習支援e-ラーニングシステムとの出会いと褒めて伸ばす姿勢
外国人材の増加とともに感じた日本語学習の必要性
同社では、翌年以降もフィリピンからの実習生を受け入れましたが、母国語を話せる先輩や仲間が多くなるにつれ日本語習得のスピードが落ちていると感じるようになり、現場でも指導に時間がかかるとの声があがるなど、日本語学習の仕組みづくりが必要となりました。
何か良い方法はないかと模索するなかで見つけたのが、茨城県が県内企業および在住外国人へ向けて無償で提供する「外国人向け日本語学習支援e-ラーニングシステム」でした。これなら、外国人は好きな時間にレベルに応じたさまざまな日本語学習を受けることができます。
「スマホを使って少しの時間でも自分のペースで勉強できる手軽さや、無料で利用できる点も魅力的でした」と早速導入し、自発的な日本語学習のきっかけづくりを目指しました。
学習意欲を高めるために「褒める」ことを徹底
導入当初はシステムを利用する人は少なかったものの、学習に取り組んだ人に対して「やる気があって素晴らしい」「がんばる姿勢が嬉しい」とみんなの前で褒めることを徹底しました。褒められた実習生はよりやる気を出して取り組むようになり、半年後には同システムの学習時間で茨城県内トップ5に入るまでに学習を重ねる実習生も現れました。
これはすごいとランキング表を構内に掲示し、工場長からの表彰状と記念品を贈呈するなどしてさらに褒め称えると、より多くの実習生が学習に取り組むようになりました。
実習生たちの日本語力が高まったことで、現場でも作業内容の伝達などがスムーズになり、作業のミスが減ったり、任せられる仕事の範囲が広がるなどの効果が生まれます。
実習生からも「楽しく仕事ができるようになった」「日本人と会話ができるようになって日本がもっと好きになった」など、勤続意欲の高まりを感じさせる感想が多く聞かれました。